大判例

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仙台高等裁判所 昭和28年(う)703号 判決

原判決は事実認定の証拠として刑事訴訟法第二百二十七条に基く証人佐藤保雄に対する裁判官の証人尋問調書を採用していることは所論のとおりであるが記録を調査すると刑事訴訟規則第百六十条所定の検察官よりの書面が記録に編綴されていないので、その書面に所論の事項が記載されているか否か不明である。しかし反証のない限り検察官から刑事訴訟規則第百六十条所定適式の書面による請求があつて然る後裁判官において前記証人を尋問しその調書が作成せられたものと認めるのを相当とし、右刑事訴訟規則第百六十条所定の書面の如きは別に法廷に顕出した後記録に編綴しておかなければならないという規定も見当らないから、これを法廷に顕出せず又は記録に編綴しなくとも右証人尋問調書の証拠能力乃至は証拠調の方式に影響はないものと認めるのが相当であり、仮りに前掲証人尋問請求の書面に所論のような瑕疵があつたとしても原審第四回公判調書の記載によれば被告人は右証人尋問調書を証拠とすることに同意しているのであるから、もはやこれを責問し得ないものと解するのが相当である。されば右証人尋問調書を証拠として採用した原審の措置は正当であつて原判決には所論の如き憲法違反又は採証の法則に違背した違反は存しない。

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